リスクマネジメントにかかるコストは、しばしば事故にかかるコストと比較されます。言い換えれば、問題が発生した後に後始末をするよりも、リスクを事前に管理する方が安上がりだということです。リスクマネジメント担当者(RMO)やチームは、保険契約に例えることができます。
積極的なリスクマネジメントの定量的な便益を実証することは、多くの便益が時間の経過とともに実現され、また、事故や問題が発生しなければ実現されない便益もあるため、困難である場合がある。しかし、リスクマネジメントの取り組みのコストベネフィットを示す方法はいくつかある。
過去の事件・事故の検証 - 過去の事故を調べることで、傾向を把握し、将来の損失を予測することができます。さらに、過去の事故データを分析することで、RMOは、リスク管理プログラムを導入することでどれだけの費用が削減されたかを推定することができます。例えば、過去2年間にオフィスで3件の滑落事故があり、それぞれ1週間の医療休暇と1,000ドルの労災補償が必要だった場合、リスクマネジメント・プログラムによって9,000ドルが節約されたと推定することができるのです。
業界データの分析 - 社内に関連データがない場合は、業界データを代用することができます。このデータは、専門家団体や保険会社から入手できることがよくあります。また、ほとんどの企業は、商業用賠償責任保険（CGL）に加入しており、活用できる保険金請求データがあるはずです。
他社との比較-もう一つの方法は、組織のパフォーマンスを同業他社や業界内の他企業と比較することである。これによって、組織が他社と比較してどの程度リスクを管理しているのかについて、ある程度の状況を把握することができる。多くの場合、ベストプラクティスがベンチマークされ、共有されると、業界全体のリスクマネジメントのレベルアップにつながる。
積極的なリスクマネジメントは、組織の時間、費用、資源を節約する多くの利点をもたらします。過去の事故を検証し、業界データを分析し、他社と比較することで、組織はリスクマネジメントの取り組みに価値を見出し、定量的な結果を示すことができます。リスクマネジメントの機能を適切に活用することで、コストのかかる事故や問題を回避し、組織に具体的な価値をもたらすことができるのです。
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